ゲド的叙情詩 9
魔法使いの真の実力は、ペルソナを自在に使いわけて変身したり、風向きを自由にあやつることだけではありません。
彼らはものごとの元型の力とその性質や、それが否定的に働くときの恐ろしさを知っていることです。
元型は無形で名前がありません。
しかし、そのまわりにその元型とかかわる無数のものを引きよせて、一種の複合体を作りあげています。
そしてなにかがその一端にふれると、元型そのものから強いエネルギーがあらわれて、あたりのものをみんな巻きこみ、ものすごい幻影を現出させて人の心を揺り動かします。
心理学的にいうと、それがコンプレックスとよばれるものです。
たとえば、太母の元型を中心に、いわゆるマザー・コンプレックスが形成され、母親に関するどんな小さいことでも見たり聞いたりすると、よくも悪くも冷静ではいられません。
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